バローホールディングス(HD)の田代正美会長兼社長は、11月16日の決算説明会で、スーパーマーケット(SM)バローの既存郊外店を改装し、デスティネーション・ストアへの転換を加速させる方針を示した。と同時に、「名古屋、大阪、東京の中心市街地で八百屋、精肉店、魚屋などの小型生鮮業種の多店舗展開に挑戦する」ことを明らかにしている。

 バローHDはSM、ホームセンター、ドラッグストア、スポーツクラブ、ペット専門店などを運営する複合企業だが、田代社長は祖業であるSMへの思い入れが強く、次々と新手の戦略を打ち出し、SMの競争力維持のために多くの時間を割いている。バローの郊外型SMは5、6年前から他業態との競争が激化、非常に厳しい状況が続いており、これからのSMはどういう形で生きていくのかが一番のテーマになっている。従前SMバローは商圏を半径2kmに設定し店舗を造ってきた。しかし、人口減少やオーバーストアにより、半径2km商圏だけでは客数が足りず、採算が合わなくなってきた。そこで、他社SMの商圏を超え、半径4~5kmからでも来店してもらえるよう生鮮を強化し、集客力を高めた新フォーマット「デスティネーション・ストア」に切り替えていくことを決めた。

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