生鮮素材とは距離を置く食品の品揃え

 食品売上高3926億円、全売上高に占める構成比は57%。大手ドラッグストアの中でも食品販売額が突出して高いのがコスモス薬品だ。売上高は2020年5月期の数値で、コロナ禍により例年以上に売上高が押し上げられているが、それより前の5年間の業績を見ても、1店舗当たりの食品売上高は3億4000万円前後。食品を強みとするドラッグストアはもちろんのこと、コンビニや食品スーパーにとっても脅威の存在であるのは間違いない。

 コスモス薬品の食品の品揃えは、加工食品、菓子、飲料、酒、冷凍食品、和洋日配。生鮮や惣菜を除けば、取り扱いカテゴリーは食品スーパーや食品強化型のドラッグストアとそれほど大差はない。それでいて大半の商品価格が安いとなれば、競合する食品スーパーの差別化策は生鮮食品と惣菜の強化。同業のゲンキーやクスリのアオキが食品スーパーの武器である生鮮・惣菜を取り込み、強化しているのも、同業以上の品揃えでよりお客の生活に便利なワンストップ業態へと近付くためだ。だがコスモスは目指すところは同じであっても、アプローチは大きく異なる。コスモスのスタンスは、一言で言えば手間いらずの食卓提案だ。

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