販促物の店舗別カスタム梱包で約3割の貼り付け時間を減らす
「大手コンビニで年間約4億5000万円のコスト削減」「大手携帯キャリア店舗のバックヤード機能を集約管理」。これらを実現するのが、印刷事業を核に「フルサービスカンパニー」を掲げる水上印刷だ。同社の事業領域は印刷事業にとどまらない。販促物の企画からクリエイティブデザイン、店舗資材の在庫管理、カスタマーサポートやシステム開発まで自社一貫の管理体制を構築。小売りから外食、通信会社、メーカーまで幅広い企業を対象に、大幅なコスト削減に加え、業務改善や売り上げ拡大に貢献している。
例えば、某大手コンビニチェーンの事例では、1万店以上の店舗に対して、個店ごとに必要なPOPやポスター、取扱説明書、申込書、ノベルティグッズなどすべての販促物を入れ分けた専用箱を各店舗に毎週出荷。店舗のエリア属性や什器台数・種類などに応じて、数量や種類を変えて入れている。また、POPなどは陳列順やカテゴリーごとに封入されている。新人のアルバイトでも、必要な販促物を売り場の陳列順にワンウェイで迷わず貼れる仕組みだ。
これを支えるのが、同社の独自開発した専用ピッキングライン。店名、店番、エリア、住所、店舗の様々な属性データを入力すると、その専用店舗データベースと販促物データに基づき、同社のピッキングシステムが店舗ごとに販促物の有無や数量を割り出している。それに紐づいたピッキングラインでは、仕分け作業員がラインモニターの「投入済み」「不要」(取れないように設定)「取って」を見てピッキングし、必要な販促物を箱に封入。過去には、最大5000パターンのピッキング実績もあるという。また、予備の販促物は在庫管理し、店舗の要望に応じて追加発送。翌日には店舗に届けるという仕組みを構築している。
松尾力マーケティング部課長は、「当社では販促物の企画、デザインから製造、梱包・発送まですべて自社内で行います。また、20名以上のシステムエンジニアもおり、自社内でシステムを柔軟に開発し、保守管理も可能。これらを一気通貫で提供できるからこそ、必要なニーズに対し、スピーディーかつ柔軟な対応が可能になっています」と力を込める。
この大手コンビニでは従来、販促物の貼り付けに1店舗当たり週1・5時間かかっていたところ、水上印刷の店舗別カスタム梱包システムを採用後、週1・0時間と約3割削減を実現。これを対象店舗数で試算すると年間約4億5000万円のコスト削減効果を上げた。この画期的な仕組みが支持され、多店舗展開する大手外食チェーンやドラッグストアの販促物、大手食品メーカーの営業販促物などにもカスタム梱包の採用が広がる。
店舗作業を最大限減らすバックヤード機能
大手携帯キャリア向けには、店舗備品を一括管理できる専用倉庫・物流体制を構築。文房具や販促物から業務用端末、デジタルサイネージまで、店舗が必要とするあらゆる物品の調達、在庫、配送を一手に担っている。
業務用端末については必要なセットアップをすべて行った上で配送。従来は、こうしたセットアップ作業は店舗で行っていたが、水上印刷の物流センターであらかじめ行うことで、店舗での作業時間を大幅に削減。その他にも、閉店店舗の備品の回収や再配送、携帯契約者への通知書発送などあらゆる「バックヤード機能」を提供する。「従来、新店のオープン作業には16人日かかっていました。当社がお手伝いするようになってからは、業務用端末のWⅰ‐Fⅰやアプリなどの事前セットアップ、販促物の丁合、店舗作業のマニュアル化などを徹底的に進め、2人日で済むように。新店オープン時のコストに課題を抱えていたお客様からは、高い評価をいただきました」(山本信也るのパレット長)。店舗スタッフが接客対応に集中できる環境を提供している。
人口減少を背景に小売りや流通の現場でも生産性向上が求められる。そのカギを握るのが、いかに無駄をなくし、価値ある業務に時間を割けるかという視点だろう。水上印刷はそこにビジネスチャンスがあると考える。松尾課長は、「店舗運営に関わるあらゆる面倒ごとは当社にお任せいただくことで、店舗様は販売や接客に集中できるようになる」と意気込む。迅速できめ細やかな対応で流通の要望に応え、実店舗が抱える「面倒くさい」を解消。実店舗の生産性向上を後押ししていく。
(冒頭写真は、データベースに連結した専用ピッキングライン)
お問い合わせ先
水上印刷株式会社 マーケティング部 担当:松尾 力 rmatsuo@mic-p.com
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