イオンネクストは10月22日、倉庫出荷型ネットスーパーサービス「グリーンビーンズ」の物流倉庫「八王子CFC(顧客フルフィルメントセンター)」を本格稼働させた。2023年7月に開設した1拠点目の「誉田CFC」(千葉市緑区)に続き、2拠点目となる。
八王子CFCは、ショッピングセンター「イオン八王子滝山」の「ノース(北側)」に隣接し、敷地面積約5万4000㎡、建築面積約2万4000㎡、延べ床面積約4万㎡の地上4階建て。中央自動車道の八王子インターチェンジから車で5分の立地。現在の提供エリアは東京23区・22市および千葉、神奈川、埼玉、茨城の50市町村。八王子CFCの開設で東京西部や神奈川への配送を強化する。

新たな自動化システムの導入や、自動で商品をピックして買い物袋に入れるロボットアーム(OGRP)の台数を誉田CFCより3倍増やすなどして、八王子CFCは生産性を約15%向上させた。

近年、時短ニーズや冷凍技術の発達に伴い、冷凍食品の需要が増加している。誉田CFCでは氷点下のなか、冷凍食品の保管や取り出しを人力で作業する点が課題となっていた。
そこで、八王子CFCは英国のネットスーパー支援企業オカドが開発した「オートフリーザー」(自動冷凍保管庫)を新たに導入。冷凍環境でも保管・ピッキングを自動で行えるようになった。誉田CFCと比べ、従業員が冷凍環境で作業する時間を95%削減し、身体的な負担を軽減することができたうえ、入荷処理スピードも2.7倍速まった。
また、入出庫時の扉の開閉などによる温度変動を抑制することで、冷却負荷を低減し、エネルギー使用料も削減。格子状のグリッド設計による高密度保管を実現することで、冷凍食品の面積を約50%削減し、在庫量を1.5倍に拡大して保管効率を上げた。

さらに、商品を載せた台車を自動搬送するLexxPluss社の自律走行搬送ロボット(AMR)も冷蔵エリアに新導入し、作業動線の最適化につなげた。
イオンネクストの野澤知広代表取締役社長は、「現場で働く従業員の負担を大幅に軽減すると同時に、高い生産性によってサービスの質を高めることで、お客様に価格や価値で還元していきたい」と強調した。


グリーンビーンズでは3万点以上の商品を扱い、特に生鮮食品は、産地から届け先まで低温を保つ「コールドチェーン」を徹底している。1週間鮮度を保証する「鮮度+(プラス)」商品では、野菜を一つひとつ手に取って検品したり、肉の鮮度を保つ真空パックやMAP包装などを使用したり、配送トラックで冷蔵環境を保ったりすることで、食材の劣化を防いでいる。米の鮮度にもこだわり、精米したてを冷蔵状態で配送する「冷蔵お届け米」もグリーンビーンズならではの商品だ。

野澤社長によると、会員数は現在120万人で、客単価は開業した当初7000円後半だったのが、1万1000円に増え、既存客が徐々に点数を増やす傾向にあると言う。
「ネットスーパーにエントリーされる方は、最初は重い商品から入って、だんだんとチルド商品や生鮮食品、日配品など、スーパーで日々買うような商品を増やしていく」(野澤社長)

配送エリアや時間帯によるものの、当日配送も可能だ。配送料はエリアや時間帯によって変動し、税抜1万2000円以上(酒類・一部商品を除く)の買い物で無料になる。最低購入金額は4000円(税抜)。
同敷地内にある「グリーンビーンズパーク」の「受け取りスポット」でも受け取り可能だ。最短3時間で、14時までの注文で当日受け取りに対応。こちらは最低購入金額を3000円に設定しており、受け取り手数料は無料。
ちなみに千葉県内の「まいばすけっと」でも、対象の7店舗に限り、お客がグリーンビーンズで注文した商品を送料無料で受け取れるサービスを行っている。

AIコンシェルジュで買い物をスムーズに
また、米グーグルクラウドの人工知能(AI)を活用した「エージェンティック・コマース」の実装を目指している。AIコンシェルジュが、食材の写真認識から、お客のニーズに合った献立の提案、商品選び、注文、配送日時の選択、決済までを対話を通して支援することで、買い物をスムーズに行えるというものだ。

例えば、家にある食材の写真をアップロードすると、AIコンシェルジュが顧客情報と売り場の特売や旬の食材を掛け合わせ、お買い得の商品を使ったメニューを提案する。カレーだったら、家族の人数分の食材や、過去に購入したカレールウを表示。併売率の高い福神漬けを提案することもできる。やり取りは音声だけで完結するため、文字を打たなくてもいい。
野澤社長は「(AIコンシェルジュは)年明けのサービス開始を目指す」とし、「共働きや子育て世帯のリアルな悩みや困りごとに向き合って、忙しい日々の買い物にかかる時間と手間を減らしていきたい」と語った。


















