ライフコーポレーションは9月8日、北陸地盤のアルビスに対しTOB(株式公開買付け)を実施すると発表した。買付価格は1株3780円。買付期間は9月9日から11月10日までで、買付総額は最大263億円に上るとみられる。アルビス取締役会は同日、TOBへの賛同と応募推奨を決議した。両社はいずれも三菱商事が筆頭株主のスーパーであり、業界環境が厳しさを増す中、規模拡大による競争力強化に踏み込む。

 今回の取引はライフがアルビスを連結子会社化し、非公開化することが目的となる。現在アルビスの株を16.62%保有する三菱商事はTOBに応募せず、取引後も株主として残る。よってTOB成立後は、株式併合などの手続きを経て、ライフが83.38%、三菱商事が16.62%を保有する体制へ移行する予定だ。非公開化完了の時期は2027年1月下旬を予定している。

 ライフは首都圏・近畿圏で322店舗を展開する一方、アルビスは北陸・中京エリアを主戦場とする。両社の商圏は重複が少なく、ライフは北陸・中京地域への足掛かりを獲得できる。なお、アルビス店舗の屋号は今後も維持することを基本方針に掲げている。

 両社は商品調達や物流、プロセスセンター運営、販促、データ活用、AI・IT活用など幅広い分野でシナジーを見込む。ライフが持つPBや顧客データ活用ノウハウをアルビスに展開するほか、共同仕入れによる原価低減や物流効率化、システム共通化による生産性向上などを目指す。アルビス側も、単独では負担の大きいデジタル投資や業務基盤強化を加速できると見込む。

 ライフは2030年度に売上高1兆円を掲げ、足元ではM&Aを成長戦略の柱に位置付けてきた。ライフの26年2月期の営業収益は8813億円、アルビスの26年3月期の営業収益は1009億円であり、今回の大型案件により、両社合算の売上規模は1兆円到達が確実視される。

 一方で、ライフはこれまで首都圏・近畿圏の都市部に的を絞って商売を行ってきた。スケールは拡大する半面、ビジネスモデルの異なる地方企業を傘下に加え、今後全社での成長戦略をどう描いていくのか。ライフのシナジー創出の手腕が問われる。