米小売大手のクローガーとウーバー・テクノロジーズは1月15日、ウーバーイーツ、ウーバー、ポストメイツの各アプリ上でクローガーファミリー企業の約2700店舗による配達サービスを全米で開始したと発表した。

 今回の提携により、顧客は地元のクローガー系列店舗で新鮮な食料品、同社の自社ブランド「アワブランズ」製品、生活必需品などを、オンデマンドおよび当日配達で購入できるようになる。

広範な店舗網をカバー

 対象となるのは、ラルフス、フレッド・マイヤー、キング・スーパーズ、スミス、フライズ、ハリス・ティーター、マリアノズなど、クローガーの各バナー(ブランド)店舗である。すでにウーバーイーツで提供されていたフラワーショップや寿司ショップに加え、店舗全体の品揃えを閲覧し、顧客の都合に合わせて配達時間を指定できる。

 サービス開始を記念して、ウーバーは初回注文に限り最大50%の割引を提供する。また、有料会員サービス「ウーバーワン」の会員は、対象注文について毎日配送料無料の特典を受けられる。

 クローガーのデジタルエクスペリエンスおよびeコマースグループ副社長のジョディ・カルムバック氏は、「顧客のニーズは絶えず進化しており、便利さの意味も日々変わっていく。ウーバーとの協力により、さらなる利便性と柔軟性を提供し、より多くの家族がお気に入りの食品に簡単かつ確実にアクセスできるよう支援する」と述べた。

 一方、ウーバーの北米食料品・小売部門責任者のハシム・アミン氏は、「クローガーのバナーをウーバーのアプリ全体で利用可能にすることで、買い物客に週次の食料品や急に必要になったアイテムを、必要なときにいつでも入手できるシンプルで信頼性の高い方法を提供する」とコメントしている。

オンデマンド配送サービス競争が激化

 今回の提携は、両社が以前に発表していた計画を実現したものであり、何百万世帯へのアクセス、選択肢、価値の拡大を目指している。

 食料品小売業界では、オンデマンド配達サービスの需要が高まる中、大手チェーンと配達プラットフォームとの提携が加速している。クローガーはすでにドアダッシュやインスタカートとも提携しており、今回のウーバーとの全米規模での協業は、同社のデジタル戦略をさらに強化するものと見られる。

 消費者にとっては、複数の配達オプションから選択できることで利便性が向上する一方、小売各社にとっては配達インフラへの投資を抑えつつ、広範な配達網を確保できるメリットがある。ただし、配達品質やブランドイメージの管理という点では、第三者への依存度が高まることによる課題も存在する。

 クローガーは40万人以上の従業員を擁し、毎日1100万人以上の顧客にサービスを提供する米国有数の食料品小売企業である。ウーバーは2010年の創業以来、累計680億回以上の配車・配達サービスを提供してきた。