丸大食品から、2025年春季の新商品20品、リニューアル品42品、計62品が出揃った。今年の商品政策テーマは「『おいしい』笑顔は毎日を明るくする」。食の三大志向「健康」「簡便性」「経済性」に、近年高まる〝美味しいものを食べたい〟という「美食」に「SDGs」を加えた五つのニーズに対応した。中でも注目は、製法や素材にこだわった丸大の看板商品であるウインナー「燻製屋」と韓国の旨辛スープ「スンドゥブ」のリニューアル、そして時短・簡便の新商品2品の投入だ。
ハムソー業界初のレンジ調理バッグを発売
ハム・ソーセージ部門からは、今年で30周年を迎える看板商品「燻製屋」シリーズをリニューアルして発売する（冒頭写真）。1995年に誕生した「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」は、ドイツアルプス産の岩塩を使用し、72時間以上じっくり熟成させることで肉の旨みを引き出した、ジューシーで深い味わいが特長だ。これまで累計100億本以上を販売してきた人気商品でもある。
今回は、中身はそのままにパッケージを刷新。ポイントは〝熟成〟の価値を強く訴えた点で、表面に「72時間以上、肉の旨みを引きだした」と記載するとともに、黒色を使用することで売り場での視認性向上を図った。
また数量限定で販売していた「燻製屋ウインナー レモン＆パセリ」を通年商品とする。レモンの香りとアクセントになるパセリの爽やかな風味を生かすライトスモーク仕上げ商品で、昨年販売したフレーバー3種の中で最もお客様に高評価だったことから通年販売を決めた。また、フレーバー系ウインナーは夕食やおつまみとして食べられることが多いため、弁当や朝食需要に留まらない、ウインナーの食シーンの拡大につなげる。今年は30周年記念キャンペーンも検討中で、シリーズ売り上げは前年比で2桁増を狙う。
新商品では、開発に2年をかけた「楽チンレンジCOOK 厚揚げと野菜で作る肉だんごの甘酢あん」を発売する。大粒の肉だんご4個と甘酢たれがパックに入ったチルド商品で、切った厚揚げと野菜を袋に入れてレンジで加熱するだけで、ボリュームたっぷりな食卓の1品に仕上がる。「レンジ調理バッグ」は調味料メーカーの商品投入が増えているが、肉団子などの具材が入ったものは少なく、ハムソー業界でも初めての商品となる。
ポイントは調理に火を使わずレンジだけで済むこと。ターゲットは「忙しいワーキングミセス」と「自炊したいシングル」。厚揚げは切って入れるだけ、野菜はカット野菜を想定しており、バランスよく栄養が摂れるすぐれものだ。
商品陳列売り場は厚揚げが並ぶ和日配コーナーを想定。「厚揚げは豆腐などと比べてもメニューのバリエーションが少ない。今後は食シーンを提案することで、和日配のメニューの幅を広げたい」と担当者は力を込める。
スンドゥブの味の大幅リニューアルを実施
一方、調理加工部門では、市場シェア55％、17年連続売り上げナンバーワンの看板商品であるスンドゥブを、発売以来初めてリニューアルする。丸大のスンドゥブは、自家製辛味調味料「タデギ」を使用した深い味わいが特長だ。今回大幅リニューアルを実施するに当たり「スンドゥブに何を求めるか」を消費者に聞いたところ、多く挙がったのが魚介の風味と旨みだ。
そこで今回は「スンドゥブ マイルド」「同 辛口」の2品について、肉の旨みは残しつつも、魚貝の旨みをアップ。口の中に入れた瞬間、辛味とともに魚貝の風味、旨みが口に広がる1品に仕上げた。
合わせてパッケージも見直し、購買時に視線が向かう中央部近くに、改良ポイントと「17年連続売上№1」のロゴを配置。ナンバーワンブランドであることを訴求し、燻製屋同様、スンドゥブも売り上げ2桁増を狙う。
このほか調理加工部門も時短・簡便に対応した新商品「パパッとシェフシリーズ」を発売する。精肉売り場向けの調味料シリーズ3品だ、〝フライパンで肉を焼いて10分以内に完成する〟がコンセプト。ガパオライスであれば炒めたひき肉250gに「素」を加えるだけで魚醤の旨みが広がる本格的なガパオライスが作れる。作り方の動画も用意しており、QRコードをパッケージに掲載するほか、スーパーのチラシなどに掲載してもらうことでメニュー提案にもつなげられる。
丸大食品は、「おいしい」の笑顔を増やすべく、今後も消費者に寄り添った商品開発に挑み続ける。
