米最大手の美容専門小売業者アルタ・ビューティーとグーグルは4月22日、AI技術を活用した新たな購買体験を共同で発表した。グーグルの生成AI「ジェミニ」を基盤とする二つの施策により、消費者がアルタ・ビューティーの商品に出会い購入するまでの流れを簡略化することを目指す。
第一の施策は、グーグルの各種サービス上でアルタ・ビューティーの商品を直接購入できるようにするものだ。今後1カ月以内に、グーグル検索の「AIモード」およびジェミニアプリ内で、アルタ・ビューティーの商品を検索・比較し、対話形式のまま購入手続きを完了できるようになる。この仕組みは、グーグルが提唱する代理型(エージェンティック)商取引の新規格「ユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)」によって実現される。アルタ・ビューティーはUCPの初期段階から協力企業として参加してきたという。
第二の施策は、アルタ・ビューティー自社のデジタル資産上に展開する独自AIアシスタント「アルタAI」の開始だ。グーグル・クラウドの「ジェミニ・エンタープライズ for カスタマーエクスペリエンス」を活用して構築されており、現在はアルタ・ビューティーの公式ウェブサイトで利用可能で、間もなく公式アプリにも展開される予定だ。4600万人超の会員データを活用し、個々の利用者に応じた商品案内や推薦を行う。
アルタ・ビューティーの最高商品・デジタル責任者ローレン・ブリンドリー氏は、「AIを活用した購買体験に自社の強みを拡張し、どこにいても美容の発見をより円滑でパーソナライズされたものにする」と語った。同社の最高技術・変革責任者マイク・マレスカ氏は、「ジェミニ・エンタープライズと自社のデータ・基盤を組み合わせることで、新たな体験の開発と展開を加速できる」と述べた。
アルタ・ビューティーは米国内に1500店超を展開し、化粧品・フレグランス・スキンケア・ヘアケア・ウェルネスとサロンサービスを一体提供する。英国とアイルランドでは、アルタが2025年に買収したスペースNKを通じて国際展開も進めている。
美容領域は商品の種類が多く、個人の肌質・好みによる適合判断が複雑なカテゴリーである。AI推薦がこの複雑性にどこまで対応できるかが、体験の質を左右する要素となる。実店舗での専門スタッフによる接客との役割分担がどのように機能するかも、今後の注目点だ。
















