三井不動産は9月11日より、日本橋エリアにて、オリィ研究所開発の遠隔操作型ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用した観光体験「OriHime日本橋ガイドツアー」を開始した。多言語対応ができるOriHimeのガイドを通じて、インバウンドが少ない日本橋の街の活性化を目指す。
OriHimeは、病気や介護など、様々な理由で外出が難しい「移動困難者」の孤独の問題解決を目指し2010年に開発。遠隔地にいるパイロット(操作者)がロボットを介して、リアルタイムで会話やしぐさを交えながらコミュニケーションができる。ガイドツアーでは、多言語対応可能なパイロットがOriHimeを操作しながら街の観光案内をする。
ツアー参加者は、オリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」(東京都中央区)で、OriHimeやモバイルルーターなどが入るリュックを借りてから出発。約1時間の間で、日本橋の名所「福徳神社」での観光や、三井不動産が展開する「コレド」内に出店するテナント、刃物専門店「木場」などの老舗商店を巡る。ツアーに提携する9店舗は、パイロットがお客のニーズを会話で引き出しながら選定し、ルートを調整。気に入ったものがあればその場で購入することも可能で、店舗スタッフとOriHime、ツアー客の3組で買い物を楽しむという新たな景色が生まれている。
ツアーへの申し込みは、3日前からDAWN ver.βサイトのバナーからでき、2人以上参加の場合料金は大人1名(12歳以上)税込み3300円、子ども(4〜11歳)同2200円、3歳以下は無料。なお、料金には、ツアーから戻った際の飲み物代1杯が含まれる。


三井不動産は2021年より、同社が展開する「日本橋ライフサイエンスビルディング3」において、オリィ研究所の本社開設および「分身ロボットカフェDAWN ver.β」の開業を機にオリィ研究所の取り組みを支援してきた。同ツアーは、三井不動産が街づくりから得た知見、ルートづくりなどをオリィ研究所に提供することで、OriHimeの活用フィールドをこれまでのレストランや商店などの屋内から、日本橋全体の「街」という面へと大きく広げることに貢献する。
同月11日に開催されたメディア向け発表会で、三井不動産の日本橋街づくり推進部 菊永義人グループ長は、「当社では行きたくなる街の実現を目指し、『良い街』の基盤強化、『好きな街』の育成の両面が大切と考えている。今回の取り組みは良い街であること‶インクルーシブ〟な街づくりを実現するための一環」と説明したうえ、「まずはこのツアーを成功させ、将来的にはエリアの拡大、外国人観光客以外の方々にも対応していきたい」と展望を語った。
