イオンリテールは5月、値引き支援システム「AIカカク」の適用を生鮮部門まで拡大する。同月8日に畜産部門に、22日に水産部門へ適用を開始する。導入店舗は約380店舗。品目数はこれまでの約1.5倍の約1200品目となる。

 AIカカクは、過去の販売実績や天候・客数などの環境条件を学習したAIが“その日その時” の需要を予測し、バーコードで読み取った商品情報と陳列数をもとに適切な割引率を提示する値引きシステム。2021年に総菜部門で実装し、22年には日配品の一部へ適用を拡大している。データに裏付けされた価格で販売することで、導入前に比べロス率が1割以上低減しているほか、 値引きや売り切り業務に関わる教育時間も低減しているという。

 このほか、昨年に導入した需要予測・発注システム「AIオーダー」についても、 今年6月に適用範囲の拡大を行う計画。 新たに対象となるのは、漬物やチーズ、ハムといった日配品と、デリカの冷総菜やサラダで、品目数はこれまでの約2倍。発注にかかる時間を半減させ、 入荷整理や品出しをはじめ、在庫管理、値引き、発注修正などのあらゆる業務負荷削減を目指す。

 イオンリテールは4月に各従業員の作業割り当てを自動化する「ワークスケジュール自動作成機能」や、販売計画の作成を半自動化する「新・販売計画支援システム」を実装したばかり。店舗DXを加速し、現場の生産性向上を着々と推し進めている。

<AIオーダーを使った発注の流れ(イオンリテールのリリースより)>