良品計画は、宿泊事業で新プロジェクト「MUJI room」を開始する。同社は、地域活性化の一環で、無印良品の世界観を体感できる宿泊・滞在・体験を提供する「MUJI STAY」の事業を展開している。
「MUJI STAY」には、地域文化のショーケースの位置付けの「MUJI HOTEL」や、地域の遊休資産を活用した滞在型宿泊施設「MUJI BASE」、「自然を、自然のままに楽しむ。」をコンセプトにした「MUJI Camp」があり、今回そこに「MUJI room」を加える。これは、ホテルや旅館、貸別荘など地域の既存宿泊施設の中に、無印良品のある暮らしを体感できる場をつくるというもの。
コロナが明け、再びインバウンド客が増えているものの、旅行スタイルの変化などにより、空室が埋まらなくなった旅館・ホテルもあるが、改修する資金が不足したり、打開策となる企画が立てられないという施設も少なくない。そこで解決策として、宿泊施設の一部に無印良品のコンセプトを体現した「MUJI room」をつくり、その世界観で集客を図るもの。
「MUJI room」には、良品計画が空間デザインやサービスのみを提供する「受託型」と、初期投資、PRと集客、予約管理まで担う「地域共生型」と、がある。
受託型の第一弾は、12月1日、大阪市此花区の「リーベルホテル大阪」内に開設する「MUJI room LIBER HOTEL」で、4タイプの無印良品の世界観をデザインした客室を3室ずつ(計12室)オープンする。すべての部屋のアメニティや寝具には無印良品のアイテムが使われており、宿泊料金は、1室2名の利用で6万8000円から。
一方、地域共生型モデルケースでは、来年2月、奈良県吉野町の老舗旅館「坂本屋」内に、「MUJI room SAKAMOTOYA」3室を開業する。こちらは、滞在者限定で吉野町の地域文化を体験できるプランや、吉野町を食で感じるフードアメニティなどの提供を計画中だ。