良品計画は6月18〜20日の3日間、「2024秋冬商品展示会」を開催した。

 24年秋冬のシーズンテーマは「自然と。」「循環型ものづくりへ。」「伝統と文化に学ぶ。」の三本立て構成。衣服・雑貨、食品、生活雑貨の各部門がこれらのテーマに沿った商品を展示し、無印らしい世界観を表現した。 

 衣料品では、肌に近い成分を含む「大豆」やノンミュールジングの「ウール」、軽くて環境付加の少ない「カポック」などの天然素材を使用した商品をずらり展開した。

「自然と。」のテーマに沿った商品としては、新たに、大豆の搾りかすを再利用した繊維を一部使用した商品を開発、婦人カットソーと紳士ニットを8月中旬以降に計4型発売する。大豆は肌と親和性が高い「たんぱく質」を多く含むため、着心地が柔らかく、肌あたりが良い。こうした価値や天然成分由来の安心感をお客に訴求しながら売り込みを図る。

また「循環型ものづくりへ。」のテーマを体現したのが、ペットボトルを主原料とするリサイクル素材を使った「素材に還るフリース」だ。生地だけでなく付属品や縫製糸に至るまで同じ素材にすることで、分解や分離工程を経ることなく再び衣料品にリサイクルする新たな取り組みとなる。フリース全12型のうち計5型を、水平リサイクル商品として9月下旬以降発売する予定だ。

 そのほか、カットソーやシャツなどの「定番品」を刷新。日常でより動きやすいデザインへと進化させ、完成度を上げた。

 「伝統文化に学ぶ」では食品にスポットを当てた。世界各国の現地の料理に学び、原料や製法にこだわった商品を開発する。現在無印では、集客の要として食品を強化中だが、品揃えを広く持つことには限界があるため、むしろこだわりの部分を深掘りすることで他店舗と差別化を図る。

 特に今期はインドとイタリアの2カ国にフォーカス、インドではカレーを、イタリアではパスタを中心に現地の〝味〟を踏襲する考え。この5月には、食品で一番人気の「バターチキンカレー」を5年ぶりにリニューアル、インド現地のカレーで使用されている「ビッグカルダモン」を取り入れ、より奥深い味わいに改良した。

 パスタにおいても、バターチキンカレーに次ぐスターアイテムを育てたいとし、新たに煮込み系のソース3種、定番のミートソース、カルボナーラを10月上旬ごろ発売する予定だ。今後はこの二つのカテゴリーを軸に食品をけん引していく構え。

 これに加えて、世界のチョコレートや製菓キットなど、他の食品スーパーでは品揃えが少なく、市場規模としても小さいと言われる商品なども充実させた。

 無印は、衣料雑貨を中心に天然素材を前面に打ち出したサステナビリティなブランドとして認知を高める一方、食品では目的買いを促す独自の品揃えで集客を図り、選ばれる店づくりを推し進めている。

大豆素材をつかった衣類は肌当たりの良さを実現

軽くて環境付加の少ない「カポック」

 水平リサイクルを活用した「フリース」を全5型ラインアップ

定番品も見直した。シャツやカットソーは動きやすさを追求

食品ではカレーとパスタを強化。カレーはスパイス取り入れより本格的に

パスタは 煮込み系のソース3種、定番のミートソース、カルボナーラを 発売する予定だ

クリスマスに向け、スーパーでは品揃えが少ない製菓キットにも力を入れる

世界の食文化をテーマにお菓子も強化する

取扱い店舗に併設するコミュニケーションスペースではアイスとコーヒーをセットに試食を交えて展開、今後取扱いを拡大する意向だ