米外食大手のヤム・ブランズは6月16日、傘下のピザハット事業を合計約27億ドル(約4300億円、価格調整条項あり)で売却する最終合意に達したと発表した。中国以外の事業は米国の投資会社ロングレンジ・キャピタルが、中国の事業はヤム・チャイナ・ホールディングス(HD)がそれぞれ取得する。
取引の内訳は、中国以外の事業をロングレンジ・キャピタルへ約15億ドルで売却するもので、2030年までに最大7500万ドルのアーンアウト(業績連動型の追加支払い)を受け取る可能性もある。中国の事業はヤム・チャイナへ約12億ドルで売却される。税引き後・調整後の手取り純額は合計で約23億ドルを見込み、分離に伴う一時費用として26年内に約8500万ドルが発生する見通しだ。
ヤム・ブランズは25年11月にピザハットの戦略的選択肢の検討を開始しており、今回の合意はその結果として位置づけられる。クリス・ターナーCEOは、今回の取引により同社がより事業に集中できる体制を整え、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)およびタコベルの成長加速につながるとの見方を示した。
ヤム・ブランズは中国以外の事業向けに、自社開発の技術基盤「バイト・バイ・ヤム」の提供と一部の企業サービスの提供については一定期間継続する。ヤム・ブランズとヤム・チャイナHDは今後もKFCの中国事業における売り上げ成長に連動した財務的な連携を維持し、タコベルの中国本土展開についても協力を継続する方針だ。取引はいずれも26年第3四半期中のクロージングを見込んでいる。売却完了後、ヤム・ブランズはピザハット部門の業績を別途開示しなくなる。また、ヤム・ブランズの取締役会は今回の取引と並行して、自社株買いの追加枠として40億ドルを承認した。
なお、日本のピザハット事業は今回の売却対象とは異なる運営体制にある。日本ピザハット・コーポレーションは22年8月にヤマエグループHDの完全子会社となっており、ヤム・ブランズからフランチャイズ権を付与される形で直営店運営およびフランチャイズ店舗管理を行っている。今回の売却によって中国以外のピザハットのブランド権利の帰属先が変わる可能性はあるが、日本国内での店舗運営主体はヤマエグループのままとなる見通しで、現場レベルでの影響は限定的とみられる。















