昨年11月の大統領選で勝利し、今年1月20日の就任以来、200もの大統領令を発出して、やりたい放題のトランプ大統領と側近たち。その破天荒ぶりは日本のニュースでも連日のように取り上げられているが、ほとんどは日米や環太平洋局面についてのようだ。本稿では、欧州視座からそのインパクトを伝えてみたい。
欧州各国やEUの首脳陣は、トランプ再選ありとみた昨年秋頃から、2回目のトランプ政権に備えて準備を始めた。ところが、2月中旬に、ヴァンス副大統領、ヘグセス国防長官、ルビオ国務長官らが、欧州や中東に現れ、首脳会談や安全保障会議などで、ウクライナやガザ、グリーンランド、NATOに対し侮辱的な発言を連発し始めると、不快感を露わに毅然と反発するようになった。欧州メディアは、友好な欧米関係を根底から覆す歴史的な転換と報じた。